『作家の珈琲』なる本がある。
平凡社から出ている作家シリーズというやつの一冊。
過去の作家たち(物故している作家がメイン)の様々な生活・嗜好を多くの写真と共に語っている。
他にも『作家の酒』『作家の犬』『作家の猫』など。
『作家の珈琲』は当然のごとく作家とコーヒーにまつわる話。
池波正太郎や井上ひさし、落語家の古今亭志ん朝とかも載っている。
俳優の高倉健が無類のコーヒー好きで、一日何杯も飲んでいたことは初めて知った。
この本にはここ最近で一番影響を受けた。
自分もコーヒーを飲むようになったからだ。
今までインスタントか缶コーヒーくらいだったのが、気づけば家でハンドドリップまでしている。
ドリップ器具もそろえだし、豆も近くの焙煎してくれる店で買うようになった。
身に合わない凝りようだなあと我ながら思っている。
もともと作家のスタイル的なものに憧れがあった。
(自分が作家なのか? という部分には目をつむる)
自分の中の単純なイメージでは、酒・煙草・珈琲あたりが「ザ・作家」な要素である。
話はそれるが、マット・ディロンが作家チャールズ・ブコウスキーを演じた映画の一ショット、どこかの店のカウンターで酒のグラス片手にタバコふかしながら書いてる姿がかっこよかった。映画はまだ観てないんだけど。
自分は酒に弱く、タバコも吸わないので、結果コーヒーに向かった。
今も台本の構想でも、と思ってコーヒーを淹れ、パソコンの前に向かい、気づくとコーヒーだけがなくなり一文字も書いていない、といったことをしょっちゅうやっている。
でもスタイルの真似事は少し気分がいい。
飽きるまでやってみるか、な具合である、今は。